風の道アートDiary

人生後半、描きたいものを、心より

失敗と思う絵、描きたい絵

 漁港の風景の模写をしました。海面の描写が難しいことは予想していましたが、いざ描いてみると本当に手強い。お手本にした絵から、海面の様子を何度もイメージしようとしましたが、うまくできませんでした。失敗作がまた一つ増えたところです。
こうなってくると模写の限界というか、自分の目で観ることの大切さを感じないわけにはいきません。
やはり現場・現物でのトレーニングに勝るものは無いようです。
そんなこともあって、現地確認をするため港へ行ってみることにしました。
初夏のような陽射しの午後、それまでダラダラしていたのに行くと決めたら元気が出て、この身の変わり様が我ながら可笑しい。

しかし、思い立って事を行うのにはよくある話で、現地近くなって島の砂地部分がやけによく見えるなあと、ある予感が。
案の定、港に着けば干潮。水面が見事に下がっていました。
上から船を見下ろすと、まるで井戸の中を覗いているようにクラクラします。しばらくあちこち場所を探して回ったけれど、どうも描く気になれません。
どうせなら水面が上がった状態の時に描きたいと思い、結局は諦めざるを得ませんでした。何をやっているのやら。

が、これですんなり帰らないお婆さん。周辺を散策すれば何かしら興味惹かれるものに出会います。

電車駅の跡地

f:id:cazenomici:20210508221012j:plain廃線となって久しい軽便鉄道の電車駅があった所。原っぱに赤と桃色のツートンが可愛いモハ〇〇号が見えます。左奥の黄色はメリーベル号。役目を終えて悠々と休んでいるのですね。

 路地

f:id:cazenomici:20210510173755j:plain静かです。

 骨董屋

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焼物、陶器、人形、家具、ランプ、昔懐かしい電気製品、道具類や看板まで、時代・種類・国籍問わずごちゃ混ぜで並んでいます。
道を挟んで両側に陳列があり、片方は間口の狭い奥行きの長い昔ながらの町屋創りで、奥までずっと収集品が積まれていました。
高価なのかガラクタなのか、ご主人のみぞ知る。時間があれば一日中でも見ていたいですが、今日はぶら下がっていたカゴをいただいて帰ることにしました。店番の息子さんが奥に寝ているお父さんに値段を聞きにいき、指示が出ます。どうやら品物はすべてお父さんが収集されたらしい。床に臥せていらっしゃるのでお顔を拝見することはできませんが、ふと13年前に亡くなった父を思い出します。父も骨董が好きで随分収集していましたから、生きていればきっと2人話が合っただろうと。

港の漁船も、忘れられたような電車も、昼下がりの路地もいつか私のスケッチブックに残すから、待っていて欲しい。そんな思いでいっぱいになりながら帰りました。

追記:模写の絵の掲載はしない方がよいと判断し削除いたしました。(2021/5/21)