風の道アートDiary

人生後半、描きたいものを、心より

絵の探し物

以前、雑誌で目にして心強く惹かれた油彩画があります。 またいつか ゆっくり見る機会が来るだろうと、タイトルと作者名だけは忘れぬよう頭の中に置いていました。

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タイトル 「サン・マメス六月の朝」
作者 アルフレッド・シスレー

タイトルも作者名も忘れるはずもありません。特徴ある地名、それにアルフレッド・シスレーは大好きな画家の一人です。
シスレーはモネと同時代の印象派の画家。風景画では日本でも広く知られているから、探すのに苦労はしないだろうと鷹をくくっていました。

ところが、
最近になってやっと重い腰があがり、この絵の追跡を試みたところ、タイトルから上がってきたのはなんと、記憶とは全く違う別の絵だったのです。

mamma mia!

記憶のそれは
ーーー古いヨーロッパの村の一コマと思われ、坂道が画面中央でV字に折れて下り、傍らに箒を持った人物が一人立って居る。全体は褐色の濃淡でまとまり、早朝の凛とした空気感が漂う絵ーーーでしたが。

 

実際の「サン・マメス六月の朝」はこちら ウィキメディアより)


雰囲気は相似しており、これはこれで見惚れてしまう。
しかしこの絵は、日本のアーティゾン美術館の収蔵品です。今までそれに気づかなかったのは我ながら不甲斐ない。

いったい、私が見たものは誰の何という作品だったのだろう?
画風はシスレーそのものだったけれど。。
シスレーの作品を、書籍や画集やネットなどで、隈なく調べてみても記憶の絵は上がってきません。カミーユピサロやモネも当たりましたがそれらしきものは無し。

当時の記事が誤りだったのでは?などと疑念が湧いたりもしました。が、おそらく私が 紙面で"題を見間違えた”のでしょう。

今はもう探すのは止め、謎のままでも自分の頭で思い返せるならそれで良い!と思っています。
万が一遭遇した時には、描いていた印象と大きく違っていて、案外拍子抜けするかもしれない、とも考えられます。


熊野神社参道 <F20>

シスレーの後に並べられたものではありませんが💦
30年以上も前、油彩ではじめて描いた風景。神社を描きに行ったのに、途中のありきたりな景色に惹かれてこれを描きました。その頃から坂道には思い入れがあったようです。
未熟な絵だけど、加筆・修正せず取ってあるのは、初心を思い起こさせてくれるから。