バラを描いてリフティングする
シーズン後もポロポロ咲くバラ
ドルトムント Dortmund
ドイツ、コルデス社作出。
強健で花持ちも良いがトゲが多く鋭い。ドルトムントは香川真司選手が活躍したサッカークラブが有名ですね。
フランシーヌ・オースチン Francine Austin
デヴィット・オースチン作出のイングリッシュローズ。
房咲きの小輪花で蕾は薄桃色。枝が細く葉色も薄い。我が家では土が合っていないのか生育が遅く花数が少ない。
リフティング技法
市立美術館の水彩講座は緊急事態宣言で6月末まで休講、太極拳クラスも同様に休止になりました。どちらも生活のリズムに馴染んできた矢先、また自学自習に逆戻りです。一人スケッチにも何度か出かけましたが、描かずじまいで帰ってきています。
今は家でバラを描いています。
ラフ・スケッチ <23×23>
紙:muse
絵具:文房堂
鉛筆の下描きはせず、色を配置して形を起こします。肩の力を抜き、あまり考えず手に任せて、こんな絵を描くのが好きです。
黄色いバラ ① <F3>
紙:モンバルキャンソン
絵の具:文房堂、ホルベイン
所要時間:延べ4時間
黄色いバラ ② <F3>
紙・絵の具は①と同じ。延べ3時間
公園で撮った写真をもとに3日間、休憩を入れながら描いています。
乾かす時間を有効に使いたいことや技法を試す機会を増やすため、2枚同時進行してみました。
鉛筆デッサンをし、明るい色から順に全体を満遍なく着彩し、暗色をさらに上にのせていく描き方。これはセオリーどおりです。
そして意図していなかった、「リフティング」を何度も繰り返すことになりました。リフティングとは透明水彩ならではの色を抜く技法です。「洗い」とか「拭き取り」といった作業で、洗いは文字どおり白地に戻すため水で流し色を取り去ること、拭き取りはある部分を明るくしたりハイライトを入れたりするのに適しています。
2つの絵の両方で多くの部分を洗い流しました。右上の黄色のバラがうまくいかず特に何回も洗いをかけています。
リフティング(洗い)についての所感
- 紙質のこと
モンバルキャンソン紙を使っていたが、この紙は洗いに強い。何度となく水を通したが表面が痛んだ形跡はなし。ただし、サイジングが流れて幾分滲みやすくなるかとも思う。安物の薄い紙などではこうは行かない気がする。 - 絵の具のこと
Chromeイエロー・バーントシェンナ・ブルー系のどれだかわからない色(シアン系ブルー?)およそ不透明系の顔料からできた絵の具は洗いをかけても結構残る。 - 洗いの本当の意味は失敗を流すことではなく、より良い効果を得るためのものだと思うので、今回のような作業はなるべくしないに越したことは無い。
何事も失敗を洗い流すのは難しいものです。