風の道アートDiary

人生後半、描きたいものを、心より

五重塔のある風景

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場所:総社市備中国分寺周辺
紙:マルマンスケッチブック
絵具:文房堂

所要時間:60分
現地での鉛筆スケッチと写真を参考にして描いたものです。ここでは、鉛筆の下描きの代わりに水彩絵の具の薄いグレーで大まかなデッサンをし、明暗の差を見ながらウエットインウエットで着彩しました。
国の重要文化財に指定されている五重塔は、それ自体が絵になりますからあえて強調せず、周辺の里風景と、空の雲が印象的だったので、そちらを主にしました

雲を描くのは最初のウォッシュが肝心です。まだ技術が及ばないためモクモクとした量感が出せません。また、実際には手前に枯れ野原があって、赤茶の中にセイタカアワダチソウの黄色が点々と、とてもいい図だったのですが、これまた力不足で描き損じてしまい、下5分の一ほどを切り落としました。細部は省略しています。

今回の現場スケッチの雑感です。

  • スケッチは場所選びが重要
  • 道具は最小限で良い
  • できれば座って描きたい(今回、イスを持参していなかった)
  • 一人で描くというハードルは意外と簡単に超えられる
  • 天候に左右される
  • 短時間に集中すること
  • 現場写真は撮って帰るのが〇

この中でも先ず、鍵となるのは場所選びだと思います。
トイレと水が調達できることを前提に、自分の興味を最大限引き出してくれる場所を探し当てるために、ひょっとすると思わぬ時間を取られるかもしれません。その場に立ってみなければわからない事で、心惹かれる対象は構造物以外にも人物であったり、空気感であったり。運よくすぐ出会うか、いつまでも見当たらないか、予測できない部分です。たとえ時間がかかっても、インスピレーションが得られる場所を見つけ出すということは、描くことにも劣らず重要なことだと思うのです。今回もそのことを強く感じました。